こきんたパパのライフシフト

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新型肺炎=ブラックスワン??

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こんにちは。こきんたパパです。

 

昨日から連続になってしまうのですが、また日経電子版で面白い記事があったので、紹介します。

日経電子版は紙媒体より気軽に見れるので、お勧めです。少し前までは、紙媒体で取っていたのですが、何しろすぐかさばるので。

全ての記事を隅々まで読むのであれば、紙媒体のほうがお勧めですが、つまみ読みなら電子版の方が扱いやすいですね。

 

さて、今回紹介する記事は、世間を騒がせている新型肺炎について、市場への影響はどのようなものか、ということについての記事です。

www.nikkei.com 

内容は普通なのですが、ここで使われている金融用語「ブラックスワン」について、解説と、今回の記事内での用法の間違いを指摘するとともに、同用語の生み出し親である書籍「ブラックスワン」についての紹介に広げていこうと思います。

ブラックスワン」~最果ての国の黒い白鳥~

ブラックスワンとは、その名の通り、黒い白鳥(コクチョウ)のことです。

黒い白鳥という言葉自体が、矛盾していますが、フォルムが白鳥にそっくりなので、初めて見た人は、「黒い白鳥」と言われれば納得してしまうと思います。

コクチョウが初めて見つかったのは、1697年のことで、それまでは無駄な努力の例えとして「黒い白鳥ブラックスワン)を探すようなものだ」とイギリスで言われるほど、存在は信じられていませんでした。

その後、「想像だにしないことは現実に起こりうる」の教訓として、「ブラックスワン」の言葉が用いられるようになりましたが、これを金融の世界に持ち込んだ人がいます。ナシーム・N・タレブというアメリカの学者です。

 

タレブはこう言っています。

「経験的観測からは稀な事象が必ず発生する確率を計算できない」

これでは、訳が分かりませんが、要するに、

「昔こうだったからと言って将来こうなるとは限りませんよ、だって、今まで起きたことないことが実際に起きる可能性なんて想像できないし、そもそも経験で分かる訳ありませんよね?」

ということです。(かなりおおざっぱですが)

タレブはこの事をブラックスワン理論と称して、金融の世界では、誰も想像することの出来ない未知の事態が発生した時、誰もそのリスクを想定出来なかったはずなので、信じられないほど大きな影響が出るだろうと述べています。

「予測不能な事態が起きた際の影響の大きさは測れない」を説明するのがブラックスワン理論です。

 

これが実際に起きたのが2008年のサブプライムローンに端を発するリーマンショックですね。

金融家たちは誰一人として、サブプライムローンが破たんしたときどれくらいの損をこうむるのか、さらには巨大証券会社リーマンブラザーズ、(+ベアスターンズ+メリルリンチ)が倒産することを予想できませんでした。結果、史上最大の金融崩壊が起きたのです。

 

「最果ての国の黒い白鳥が現れた時、全ての経験予測は無効になる」

タレブはこのような美しい表現をします。

市場が恐れるブラックスワン??

さて、ようやく記事の内容に触れますが、

来日した米有力投資ファンドカーライル・グループの創業者、デビッド・ルーベンスタイン氏に質問した。「いまの金融市場にとって、ブラックスワンは何でしょうか」。同氏の答えは、中東など世界各地での軍事衝突リスク、米国や日本の政府債務問題の2つに加えて、もうひとつあった。「ウイルスによる世界的な疫病の流行(パンデミック)だろう」

:記事内引用

 との記載があります。

この使い方は明らかに間違いです。

ブラックスワン」は「絶対に予想できない事態」「未知の未知」が起きた際の「影響の大きさは事前には測れない」なので、「ウイルスによる世界的な疫病の流行(パンデミック)」が「ブラックスワン」だと予測できるはずがありません。誰かが予測できること、つまりいままで起こったことのある事なら、経験からリスクを管理できてしまう(影響の大きさを測れてしまう)ので、「ブラックスワン」ではありえません。

(「パンデミックが起きた時どうなるのか」はわかっている)

という訳で、この記事の用語の使い方はちょっとおかしいかなと思います。

物事が全て終わった後に、あれは「ブラックスワン」だった、というような使い方しかできないはずですね。

 

ただし、市場がブラックスワンを恐れる、ということ自体は、リーマンショック後の世界では、間違っていないと思います。この先何が起きるかは分かりませんが、なにか予想もしないことが起きて、予想もしない結果になる事は実際にあるのだということは、2008年に証明されていますからね。。

書籍「ブラックスワン

ブラックスワン」について説明してきましたが、その詳しい説明が書かれている本が、同じ名前の「ブラックスワン」です。

率直に言って、面白いです。上下巻あり多少値段は張りますが、読む価値は十分だと思います。

小難しい論調ではなく、会話形式&読み物形式で書かれているので、頭に入ってきやすいと思います。特に経済に詳しくなくとも、お勧めできる一冊です。「ブラックスワン理論」について、理解が得られるとともに、それを自分の日常に結び付けて考えたりすることが出来るので、大変興味深いです。

興味を持った方は、リンクを貼っておくので、ぜひ読んでみてください。

それでは。

ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質

ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質

 
ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質
 

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